非正規雇用と無差別殺人

アンダークラス 新たな下層階級の出現 という本を読みました。断片的に読んだだけですが、印象に残った点を簡単にまとめました。

無差別殺傷事犯

法務省の法務総合研究所は、「無差別殺傷事犯に関する研究」という報告書(2013年)をまとめています。対象となった事件の犯人は52人。

  • 16歳から49歳が44人、50代が5人、60代が2人
  • 就労経験のないものが5人、就労経験があるものは47人。
  • 就労経験がある47人のうち、犯行前1年間に有職だったのは25人(正社員10人、非正規労働者13人)、22人は無職
  • 犯行時に有職者は10人(正社員4人、非正規労働者6人)

言うまでもないと思いますが、無職・非正規雇用者が目立つということがわかりますね。

自動車工場派遣社員 秋葉原通り魔事件

事件概要

2008年(平成20年)6月8日12時30分過ぎ、東京都千代田区外神田四丁目の神田明神通りと中央通りが交わる交差点で、元自動車工場派遣社員(某大手自動車会社の子会社)である加藤智大(かとう ともひろ、当時25歳)の運転する2トントラックが信号を無視して突入、青信号を横断中の歩行者5人をはねとばした。トラックを降りた後、道路に倒れこむ被害者の救護にかけつけた通行人・警察官ら14人を、所持していた両刃のダガーで立て続けに殺傷した。さらに、加藤は奇声を上げながら周囲の通行人を次々に刺して逃走。

犯行経緯

加藤は元々、県立青森高等学校卒(偏差値70)で成績優秀スポーツ万能だったようです。しかし、親の教育がかなり異常だった(加藤の両親が真の加害者では?と言われている)ようで、反発するかのように短期大学に入学。その後、某大手自動車会社の子会社の工場で派遣社員として働いていた。

ところが、6月に会社が派遣社員の大半を削減すると発表。自分が削減対象になったと思いこんだ加藤は、工場を飛び出して犯行を決意した。

インターネット掲示板に心境を書き込んでいた。

派遣がやってた作業をやりたがる正社員なんているわけない。自分は無能です、って言っているようなもんだし。

人が足りないから来いと電話が来る。俺が必要だから、じゃなくて、人が足りないから。誰が行くかよ。

勝ち組はみんな死んでしまえ。そしたら、日本には俺しか残らないか。あはは。

  • 誰にも相手にされないという孤立感
  • 派遣労働者である自分の境遇からくる劣等感
  • 将来への絶望

雇用は不安定で、職場は固定せず、しかも仕事内容は常に単純労働の繰り返し。書き込みからは、こうした境遇に置かれた製造業派遣で働く若者の寒々とした心像風景が、鮮明に浮かび上がってくる。

共感する声も多かった

インターネット掲示板には、加藤に共感する声も多かったようです。筆者は、大量殺人犯に対して同情的であるというだけの理由で、こうした声を切り捨てることはできないと述べています。

社会の閉塞感。立ち直りのきかない社会。一度落ちると、会社や国に血の一滴まで吸い取られる社会。立ち直りへの焦り。

私は、自殺を選ぶ人、大量殺人を選ぶ人、紙一重だと思う。彼は大量殺人を選んだ。ただそれだけのこと。

両者は、割合の問題であって、このような社会では必然的なものである。

ちなみに、現在、僕も非正規雇用者(期間従業員)なので、犯罪を肯定するわけではありませんが、将来を悲観する気持ちはわかります。

このような事件はこれから増えていく

参考記事:2025年、「アンダークラス」1000万人超の絶望

出典:新・日本の階級社会 (講談社現代新書) [ 橋本 健二 ]より

自分の身は自分で守るしかない

僕の個人的な意見としては、企業は競争社会に勝つために利益を出すことに必死です。日本の企業は、従業員のことなんて二の次。日本の将来(未婚率が増加しているとか、年収が下がっているとか)や若者のことなんて考えてる余裕なんてないんです。これからは新興国企業が追い上げてくるのでもっとヤバイと思います。特に中国企業は本当にヤバイ。アメリカも危機感を感じているぐらい。

だから・・・

自分のことは自分で守る!

これに尽きると思います。節約してお金を貯める、投資でお金を殖やす、勉強して専門的な知識を得る、副業をしてお金を稼ぐ力をつけるとか。やれることはある。人にあーだこーだ言える立場ではありませんが、「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」という名言がありますね。

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